「ビルの設備管理を10年やってきたが、PMに憧れて転職した。しかし、担当物件は短期転売が目的なのでPMの基本が学べない。AM会社には、短期転売が目的の会社はよくあるのか?」という内容でした。
結論から言いますと、短期転売を目的とするファンドは、「よくあります」。
まずは、過去に書いた「不動産ファンドの短期転売について」という記事をご参照ください。
不動産ファンドには、REITのようにピカピカの物件を長期保有目的でしっかり運用するファンドと、多くのプライベートファンドのように短期でバリューアップして転売することで高IRRを追求するファンドに分かれます。
2つのファンドは何が違うのかというと、投資家のお金の種類が違うのです。
REITに投資されるお金というのは、「定期に預けるくらいなら」「国債を買うくらいなら」というミドルリスク・ミドルリターンを狙うお金です。
プライベートファンドに投資されるお金というのは、いわゆるハイリスク・ハイリターンを狙うお金です。
これは、BRICs市場に投資されるのと同じ種類のお金です。
すなわち、世界から見た日本の不動産市場は、とても不透明で、運用方法も確立しておらず、とてもリスクが高い。故にハイリターンが見込める市場だったのです。
今までは、売り物件もたくさんあり、価格も高騰し始めておらず、資金の調達も容易だったので、新興のAM会社でもプライベートファンドを組成すれば急成長してこれました。
極端な言い方をすれば、失敗する方が難しい環境でした。
しかし、最近マーケットの様子が変化しているのを感じます。
我々の会話の中でも、「生き残るAM会社はどこだ?」という話題になることがあります。
不動産が簡単に買えない。買えても、そう簡単にキャピタルゲインを狙えない。
さらに、日本の不動産市場が成熟してきたことで、投資家のお金の種類が変わり始めようとしています。
金融庁の監視が厳しくなり、市場の透明性が高まり、運用方法が確立してくると、やがて世界の投資家は、ミドルリスク・ミドルリターン狙いのお金を日本に供給してきます。
AM会社は、これに対応するため、中長期的に安定したインカムゲインを重視する必要が出てきます。
そうなった時、真剣にAM業務をやってなかった会社は生き残れない時代になるでしょう。
不動産の運営とは、本来長期的な視野で建物の修繕を行い、テナントと良好な関係を構築していくものです。
短期勝負で不動産を回してきたAM会社には、そのような体制を整えていない会社が少なくないように感じます。
短期でのIRRを高さを重視するあまり、フィーを極限まで抑えられたBM会社、PM会社とも、あまり良好な関係になれていないAM会社もあると思います。
投資家の変化を理解し、それに合わせた体制を築けるAM会社が、将来生き残れる会社だと思います。
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